CORNELIUS『POINT』

 実に4年ぶりとなった新作が遂に遂に感涙もののリリースです。例えばこれまでのコーネリアスの歩みを考えてみると、ファーストではなんとなくフリッパーズのサードで見せた実験性は陰を潜め、かなり保守的なポップス集になってしまったんですが、楽曲そのものが。それが徐々に崩れて行くというか進化していきセカンドではかなりミクスチャーな内容へとシフトして、ごった混ぜ感に溢れていたじゃないですか、そしてサードでわりと具体的なコンセプトが見えてきて、軽いアミューズメントパーク・トリップなんぞが演出されてきたわけですが、その根底を脈々と流れる彼のポップ・マエストロぶりは言うまでもなく瑞々しく輝いていたわけで。

 そしてそして今作では、前作の派手派手しさというものを一切削ぎ落として、とても洗練されたシンプルな音にまず気づかされる。そして今作の肝になっているのはやはり、ふんだんに盛り込まれた音の切り張り、コラージュだろう。水や虫といった環境的な音が顕著になってて分かりやすいが、ギターもドラムのサンプリングもうまく溶け込ませている。先行シングルを2枚聴いたときに瞬時にコーネリアスだと気づかされる、ポップ・センスは相変わらず。今回も見事に新たなコンセプトを打ち立ててきた。常にシーンを先導してきた(本人にはそんな意識ないんだろうけど)彼のいわゆるセンスのよさには改めて感動。シカゴあたりの手触りに近い感じはするが、ポスト・ロックという風に安易に混同するのではなく、コーネリアスというカテゴライズが一番ふさわしいだろう。やっぱり今年のベストかな。来年はオザケンも?(S)

CORNELIUS『POINT』

DAFT PUNK『ALIVE1997』

 『ONE MORE TIME』でまたしても全世界のフロア・ピープルのハートのわしづかみにしたダフトパンク。そして97年の、なんで今更のライヴ盤が初お目見え。ってこれが『DISCOVERY』を聴いてばかりいた耳には、驚くばかりの完全フロア使用というか、ハードテクノ。とにかくパーツ、パーツの使い方が上手いんです、ライヴだけにそのドライブ感っていうのは出てるんだけど、とにかくハードでアッパー、ビートも押せ押せ。こんなライヴはもうやらないのかな〜、ともかく来日公演渇望です。(S)

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 ちょうど1年程前に出たアンダーワールドのライブ盤は聴いた感じ、やはり大物、デカイとこでやってんなーって感じをうけたが、こっちは地下でやってまーすってな感じ(実際はどうかは知らんが)、一瞬ブート盤?と思うくらい録音とかもかなりラフ。クラウドの熱狂っぷりも相まってヤバイ位 なライヴ感でてます。『ONE MORE TIME』しか知らない人も、soma時代からのファンの人もきっとガツンとやられちゃうでしょう。で、こうなると気になるのは今後の展開。『DISCOVERY』からのシングルカット(松本零士のビデオクリップが6話分あるらしいから、あと2曲は出すでしょう)もいいけどライブもね。(H)

DAFT PUNK『ALIVE1997』

MUM

 ベルセバのアルバムのジャケにもなっている双子の姉妹ムームのデビュー盤がリリース。フロム・アイスランドってことでシガーロスを引き合いにだしてもいいと思うんですが、同じくらいドラマチックというか、叙情的なんです。この壮大なスケールっていうのは少なからず、アイスランドの風土が密接に関係しているのだと思うんだけど、とにかくいい。ジャンル的にはエレクトロ二カなんだけど、電子音が織りなす無機質な感じというか、アイスランドといった凍えたイメージよりも雪の妖精っといった柔らかく、ふわふわした感じの音色とピュア・ヴォイスそして優しいメロディがかなり真っ白な世界を演出。毎日都心に赴く病んだ心を浄化してくれます。

MUM

 

GREEN VELVET
『WHATEVER』
FISCHERSPOONER
『GBE,CORP』

■生で観たい!来日公演切望

■80'sリバイバルの決定打か!?
 シカゴ・アシッドの重要人物、TEKNO PUNKを自称する男グリーンベルベット。シカゴ特有のスカスカ(でもファット!)でファンキーなリズムにベルベットの狂人度70%セクシー度30%のヴォーカル(あるいはシャウト)&それに輪をかけて狂ったアシッドシンセが絡む。また前作まで全体に漂っていた荒んだゲットー感覚(?)は後退し、16ビートのシーケンスを押し出したディスコテイスト、ファンクテイストをフューチャー。2001年版エレクトロニック・ファンクの決定版!(H)

 80'sエレクトロ・リバイバルの火付け役DJ HELLのジゴロからのNEW。リバイバルものというかホントに80年代のリリースなんじゃねーか?と思わせるぐらいにオールドスクール、というかニューロマンティクス。3人のVoが絡み合い醸し出す雰囲気が独特(特に女性Voが一度聴いたら忘れられない)。REACTからでてるDAVE CLARKEの2枚組MIXCDのエレクトロ・ミックスのクライマックスを飾る『EMERGE』、女性Voと男性Voの絡みがヤバめのエレポップ『TURN ON』が白眉。
(H)

FAMOUS MULLER TRAX
REMIXED BY SUPERSTARS
『REMIXED!!!』
V.A.
『DISNEY AGE @D_100 CAFE』

■JON SELWAY、アルバムにも期待大

■で、DOOPEESのアルバムにも期待!

 DJ TASAKAによるMIXCDも出るなど、日本でも人気の高いベルリンのレーベル(ムラー)のリミックス盤。TOKTOK、THE HACKERなどムラー的におなじみのメンツがリミックスしてるんすが、目玉 はクリスチャンスミスの相棒としても知られる、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのリミキサーJON SELWAYのミックス!マッシヴなディスコビートでガンガン持っていく相変わらずのセルウェイ節で目下フロアーヒット中。(TASAKAのMIXCDにも収録)。こうなると今発売されているアルバムとかもかなり期待できるのでは?次号レビュー予定。(H)

 ウォルト・ディズニー生誕100周年記念プロジェクトの記念コンピレーションDOOPEEES(ヤン冨田)、Tico(リトルテンポ)、こだま和文、池田亮司等々とエイベックスレイブとは無縁なステキなメンツが勢揃い。どれもこれも元ネタがディズニーだからなのか、ディズニーに対する思い入れの深さなのか、ドリーミーな仕上がり。特にこだま和文のトランペットと電子音のみの即興ダブサウンドが圧巻。そしてDOOPEES。ココ最近、雑誌「relax」の付録CDといい活動が活発になってきたドゥーピーズ。・・・もしや2ndが出る?(H)

 

 

 ライヴというか今回はクラブ・イベントなんですが、今年個人的にナンバー1パーティーというか、ナンバー1・DJが見事に決まった10月12日のCODEの“MUZIKCUP”featuring DAVE CLARKEです。この日はWOMBでCLAUDE YOUNGもスピンしていたのでクラウドは大入りという感じではなかったんですが、まあ踊るスペースは十分ってかんじでよかったんですが、かなりの盛り上がりでした。というのもDAVE CLARKE様様なんです、っていうか凄いんです。フライヤーの裏の解説では、世界DJランキング・テクノ部門の第二位 なんて冠もついている彼(ちなみに一位はカール・コックス)。それでREACTから出ているミックスCDを聞いた方はかなり彼のプレーに期待していたんではないの。もちろんこの僕もその1人なんだけど。  そんな感じでいざ、フロアーへ、まあフロントDJは割愛させて頂き、ニヒルな面 もちのDAVE CLARKEのプレーがスタート。さっそく音カッティングしまくりで、もう彼のテクニックに期待が膨らみまくりで、笑わずにはいられない感じ。

 

>>DAVE CLARKE @01.10.12 新宿CODE

 

思った以上に一枚一枚はシンプルなトラックが多かったんだけど、それを2枚がけすることでかなりのバリュー・アップがなされ、踊れる踊れるったら。 それに彼特有のミックス・テクが相まって別 次元へとトリップ。全体的な印象は、そんなに派手ではなかったんだけど、そのミックス・コラージュでかなり盛り上げたって感じ、まさに職人芸って感じ。例えばJEFF MILLSのようなミックス・ワークっていうのはもちろんパーフェクトなんだけど、面 白みにかけるっていうか、確かに寸分狂わず、恐ろしいほどのミックスを見せてくれるんだけど、DAVE CLARKEはエンタテインメント性に溢れているっていうか、面白いんですよね単純に。例えば2枚がけっていうのの定石っていうのはキックをあわせるってことだけど、彼の場合はわざとずらして、変則的なビートを生み出したり(まあかなり大雑把なんだけど)なんて当たり前にやってみせたり、スピーカーに音を振り分けることで、かなり音響的なアプローチもあったり、とにかく一筋縄ではないって事。なおかなり洗練されたプレイを見せてくれるし。とにかく2時間強の時間があんなにあっという間に過ぎてしまったのは始めて、全然飽きさせないからだと思うけど、あれこそパーティー・DJだなーっと痛感。いや〜次はいつ来ることやら。(S)

 

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